Atomic Phantom 〜おとむの幻影〜 ストーリー


自社に科学者2人を擁し、特殊技術を開発し続けることで何とか経営を維持していた零細企業「あけぼの化学工業」も、昨今の消費不況から経営不振にあえいでいる。ここで画期的新商品、新薬品を開発しないと倒産することが目に見えている。それを恐れた科学者の1人(新井)が、謎の組織に、アメリカで盗まれた遺伝子情報が入ったディスクを盗むよう依頼する。


カンパニーという窃盗グループから2人の男女(直人、未央)が逃亡した。カンパニーのボスから、2人を捕まえるよう追っ手として仲間(ユリ、サチ)が派遣される。追っ手につかまった2人は、カンパニーのボスが、メンバーに秘密で、裏で組織を利用し、私腹を肥やしている、そんな犯罪に手を染めたくないから逃亡したことを告白。それを知らされたユリとサチは、組織を裏切った直人と未央の真意を確かめようと、未央を人質に取り、カンパニーの金庫からボスの背信的行為を裏付けるディスク(証拠)を直人に取って来ることを命じる。



カンパニーの金庫に侵入した直人は、金庫の中に、見たこともないような大金と、数枚のディスクを発見する。








カンパニーの金庫からディスクを奪った直人が、カンパニーから出たところでボスと遭遇。金庫から奪ったディスクを返すよう迫られるが、異変に気づいた直人は、とっさに別のディスクとすり替え、それを渡すことで、何とかその窮地を逃れることができた。






メンバーに連絡を取る直人、カンパニーの金庫を出たところで、ボスとメンバーに良く似た3人にディスクを返すよう迫られたと、事の詳細を告げるが、メンバーはその現場には行っていないと言う。直人の行動は、敵に尾行され、盗聴されている。危険を察知したユリは、様子を探ろうとアジトに赤外線暗視カメラを仕掛けて、別の秘密基地で直人が奪ったディスクの中身の検証を開始する。

遠隔操作でアジトのモニターを見ると、そこには、拳銃を持ったカンパニーのボスの姿が映っている。親から捨てられた自分達を、幼少の頃から育ててくれたボスが、何故、自分達を追って……それも、右手に、しっかりと拳銃まで握って……にわかに、直人と未央が言ってたことが真実味を帯びてくる。動揺するメンバー。あわてて、ディスクを見るメンバー。そこに、映し出されたのは、ATGCの羅列……遺伝子の塩基記号だ。だが、何か違う。よく見ると、特異的な塩基配列をしている。直人が、カンパニーの金庫から奪ったディスクに入っていたのは、双子の遺伝子だった。

劇団新波第25回公演の新作は、ハードボイルドタッチで描く、逃走劇。いつにもまして、ハラハラ、ドキドキ、あっという間の90分間。楽しく、スピード感あふれる、パワフルな舞台を、どハデな照明と、仕掛けたっぷりの大道具でお見せしました。